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2年ぶりのスペイン          2003年3月25日 発行

2月24日から10日間、昨年は結局時期を逃したので2年ぶりとなるスペインへ行ってきた。今回は頼んであったギターを取りに行くことと、いつものようにマヌエル・カーノ先生の家族に会いに行くこと、そしてお墓参り。今回はちょうど長女(末容:マヨ)が大学を卒業するので、卒業旅行にスペインへ行きたいとの事で、父娘のスペイン旅行となった。また、グラナダに20年以上も住む友人で、マヌエル・カーノ門下の大道正樹君(日本語情報センター館長)のご両親と姪の真央ちゃんも同行することになり、ファミリーツアーの様相である。

 関西空港を出発し、マドリードまで約17時間。バラハス空港ではいつものようにマドリード在住のクラシックギタリスト河野兵部さんが迎えて下さった。5人分の荷物を河野さんの車に詰め込んで、5人乗りの車に6人乗り、夜のラッシュアワーのマドリード市内を一路ホテルへ。翌朝、特急タルゴで約6時間かかり、グラナダに到着してホテルに直行。グラナダに着くまで家を出てから40時間ぐらいかかってる。思えば遠い!長い間よく来たもんだ!

 グラナダではカーノ先生の奥さんのエミリア、ホセ・マヌエル・カーノ、ギター製作家のホアン・ロマンなどに会いに行く。その他、大道君のご両親らをアルハンブラ宮殿にも案内したが、スペインではこのところ天気が悪いそうで、グラナダに滞在した3日間は天気がすぐれず雨がぱらついていた。
 2月28日の朝、ビスニエト・デ・トーレスことJ.フランシスコ・サルバドールがアルメリアから150キロの道のりを車を飛ばしてグラナダまで迎えに来てくれた。フランシスコとは20年の付き合いだが、カーノ先生が亡くなってからは、スペインの第2の家族のようになり、一昨年は娘さんの結婚式にも招待(もちろん自費だが…)された。

 いったん大道さん親子と別れアルメリアへ。アルメリアはさすがに天気が良い。グラナダでの雨がうそのようだ。途中、海辺のバラック建てのレストランに立ち寄り昼食。「見かけは悪いが味は最高」と中へ入ると、アルメリア市内の銀行の頭取や大ホテルのオーナーなどが食べに来ているとのこと。海から上がったばかりの魚介類をその場で料理してくれるのでおいしいはずだ。食べきれないほどの海老・イカ・マテ貝など注文し、やっぱり食べきれない!苦しいおなかを抱え、フランシスコの家へ到着。このあと「各地から」に書いたが、出来立てのギターを選んでアントニオ・デ・トーレス記念館でコンサートをイッパツ!
 アルメリアでの2泊3日の間、フランシスコの家に泊めてもらって世話になり、雌猫岬(めのう岬)、ミニ・ハリウッド(U.S.J.西部劇版)、モハカール(アラブ様式の町)などに連れてってもらう。(すっかり観光客!)
 マドリードへ戻るのにはバスを利用したが、グラナダとそんなに距離は変わらないのに7時間(グラナダ・マドリード間は5時間以下)と時間のかかること!末容はすっかりアルメリアとアルメリア自慢のおいしいトマトが気に入り、「就職しても絶対また来る!」 マドリードへのバス駅で、フランシスコと奥さんのホセフィーナと、涙々の別れであった。  (つづく)



  空の上 卒業旅行で

花ざかり (じろう)



あの春は これくらいかと

娘見る (じろう)