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梅花の香り          2005年2月25日 発行

 実は今月、手術をしました。2年ほど前からいずれはしなければと思っていたもので、特に体調が悪かったわけではないのでご心配なく。

 2000年9月に大腸憩室穿孔腹膜炎で突然倒れ、救急車で運ばれて緊急手術をして約6ヶ月の入院。このときは右腹部の大腸の入り口にストーマ(人口肛門)の装着、腹部正中の約30pの手術部位は膿が止まらず翌日には縫合の糸が切られ、傷口は約10p開けっ放し。それでも2ヵ月後くらいには自然に膜が張って塞がっていました。筋膜は切れたままなので2001年3月に再縫合の手術を受け、ストーマも取り外され、これで元の体に戻ったと思っていましたが、しばらくすると縫合部位に隙間があることに気づき、医師に相談すると腹壁瘢痕ヘルニアとのこと。表面的には問題ないが、隙間が大きくなってくると腸閉塞の恐れがあり、2002年2月に再手術。

 今回は2年ほど前からその部位の残りの部分と、腹膜炎のドレンパイプ跡が大きくなってきて、2箇所に再度腹壁瘢痕ヘルニアが起こっていたので一気に始末してしまおうと、暇なこの時期に手術を受けることにしたわけです。医者が言うには、患部にメッシュの補強を当てて縫い合わせるだけで、ごく簡単な手術とのこと。私としてはすでに2002年に経験済みのものでした。

 2月7日、手術は2時間弱で終わり、全身麻酔が覚めた後も脊髄に細い管で入れる硬膜外麻酔という術後の痛みを和らげる処置がよく効き、ほとんど痛みも感じませんでした。病人のようにベッドに寝ていたのは2日ほどで、手術後3日もすれば元気なもので、点滴もなくなり、届けさえ出せばパジャマから服に着替えて自由に散歩にも出かけられる。折しも病院近くの大阪城では梅林が咲き始め、1時間ほどのよい散歩コースとなりました。手術から10日後の2月16日に退院。現在ではもう殆んど普通の生活に戻っています。

 はじめの入院から約4年半、2002年の秋には手術が原因だという肺梗塞のおまけまでつきましたが、これでようやく片付いたと思っていいようです。以前は飲みすぎていたお酒も適量を嗜むようになり、今は少しずつでも歩くことを心がけています。

 健康に留意して、できるだけ長い間演奏活動を続ける…、これからの目標です。新しい曲作りも念頭にありますが、すでにCDに録音した曲で、コンサートにあまり載せていない曲を掘り起こし、レパートリーとして広げること、特に今年は久しく弾いていない「雪女」を復活させたいと思っています。楽譜はないのでCDやビデオからコピーすることになりますが…。復活すれば、こんどこそ楽譜としても書き留めておきたいと思っています。

 それにしても、毎日のように大阪城の梅林を歩き、梅の花がこんなにほのかに香る心地よいものだということを知って、得をしたような気分です。

 人集いカメラ居並び梅香る

 一日ずつ元気が戻り春来る
一葦